昨年末の全日本U12サッカー大会決勝トーナメントについて、各種分析を実施。
今回は、攻撃について。
攻撃の重要性
サッカーでは、10-10の様な、点の取り合いになる試合は、キッズの試合を除いて、ほぼない。
同程度のチーム同士であれば、1-1 など 少ない点数の中での接戦となり、
格差がある場合は、 10ー1など、どちらか一方が大量の得点を取ることとなる。
そのため、試合に勝つには、0に抑えることが最も重要だ。
これは、前回までの結果分析にもあげてきたのだが、
決勝トーナメントにおいて勝利できる確率は
0失点 90%
1,2失点 50%
3失点以上 0%
からも裏付けはとれている。
このため、試合に勝つには、 無失点、さらには 相手のチャンス 0 に拘るのであろう。
一方で、得点については、下記の通りとなる。
0得点 10%
1,2得点 50%
3得点 100%
失点0に抑えたとしてもPKがあり、試合の流れでpkなどで失点することもある。
このため、得点が少ない場合も、それだけ勝率は低くなるということだ。
さらには、3得点以上取れた場合は、負けない
すなわち、従来までは、勝つ条件は、 0に抑えること を重視していたのだろうが、
今後は、 3得点以上とれる力をつけることが、確実に上位に上がれる条件になるのかもしれない。
現に、優勝したレジスタは、決勝トーナメントの平均得点が 3。0なのである。
得点の決定率について
サッカーの試合では、点差だけが最終評価の対象となる。
つまり、どれだけ芸術的なシュートでも、どれだけつながったシュートでも、まぐれでも、泥くさくても、、、、
全て同じ 1点。
まずは、どれだけ、チャンスを作れるかが重要なのだろ。
さらに、重要なのが、チャンスの内にどれだけゴールになったかの、得点確率。
筆者の場合は、 約 30%(10回のチャンスで3点以上決めること)を目標にしてきた。
今回の上位チームは、どうであろうか?
レジスタ27%(3/11)vs鹿島0%(0/4)
全国大会の決勝戦
準決勝同等の、チャンス回数、決定率、優勝は必然だったのかもしれない。
レジスタ25%(3/12)vs50%武蔵野(2/4)
全国大会準決勝
少ないチャンスをものにした武蔵野、決定率50%はさすがである。
一方、優勝したレジスタは、準決勝、決勝ともに、10回以上の得点チャンスを作り、決定率も約30%
鹿島11%(1/9)vs莵道0%(0/2)
全国大会準決勝
9回のピンチを1失点に防いだ莵道は、今回の台風の目となったのは間違いないであろう。
川崎0%(0/6)vs莵道33%(1/3)
失礼ながら、前評判では、川崎有利であり、実際の試合でも川崎ペースであった。
得点チャンスも 6-3 と川崎有利となったが、実際の結果は、0-1
決定率が 30%を超えた莵道に軍配があがった
やはり、30%を1つの方針とするのは、間違いではないであろう。
10回チャンスを作り、3得点。
ちなみに、チャンスは、筆者の見解であり、個人差はあるかと思いますので、あしからず。
チャンスの中身
上記の通り、チャンスに対しての得点を決定率としてきたが、チャンスはどのようにカウントしたか。
ここでは、シュートすべてをチャンスとはしていない。
例えば、ロングシュート。
GKが小さい選手であれば、良いだろうが、GKの身長が高いと無謀な場合もある。
現に決勝トーナメントでの得点は、、、10%以下。
入らないとは言い切らないが、状況を見てと言いたいところだ。
また、シュートを打てなくても、1タッチ多かったために、チャンスを潰した場面もある。
前分析通り、エリア内での得点は80%をしめるが、そのうち半数がダイレクトなのだ。
コンパクトに、簡単に、、、がポイントになるのだろう。
というのが、チャンスとしてカウントした状況です。
ここで注目すべきなのは、レジスタのチャンスの中身。
決勝戦では、11回中 ヘッド3、エリア外3、エリア内4
準決勝では、12回中 ヘッド5、エリア外1、エリア内6
*チャンスの見方に間違い、個人差があるかと思いますが、あしからず。
チャンスのうち、ペナルティエリア内からのシュートが半数以上を占めている。
前分析に記した通り、得点の8割以上は、エリア内からも、決定率が髙いのは、納得の結果。
さらに、興味深いのは、ヘッドの数。
セットプレーだけでなく、流れの中でも、数回チャンスを作り、実際に2得点。
決勝トーナメントで、流れの中でヘッドを決めたのは、レジスタのみ。
まだまだ、ヘッドへの守備対応の技能が不足しているチームが多い中、盲点をついたのだろう。
次回の大会は、ヘッドに対する変化が起こるかもしれない。
巧さを追求したチーム
大きくて、早くて、巧くて、賢くて、、、、サッカーが優秀な選手が多数いるチーム。
当然ながら、全国には、このようなチームは少ない。
むしろ、同学年だけでは、人数が揃わない というチームもあるだろう。
しかし、全国大会決勝トーナメントに進むチームの中にも、技術中心で勝ち進んだチームもある。
前回アシストの項目でも紹介したのだが、、
今回の決勝トーナメントで、パスを3本以上繋げて3得点あげたのは、3チームだけ。
優勝した「レジスタ」 3位の「武蔵野」 ベスト8の「ファナティコス」
上位2チームは、大きさ、早さ なども活かしているのだが、ファナティコスだけは、趣向が異なる。
スピード、身体の大きさに頼らない、技術を生かした攻撃 なのである。
上位チーム以外のチームとして、参考になる場面もあるので、動画チェックしても良いとは思う。
ちなみに、動画チェックは、2倍速がおすすめ。
動きも速いので、パスの繋がりなどが、分かりやすい。
おそらく、予選敗退したチームにも、同様なチームは沢山あるだろうが、
全てを見る時間はないので、あしからず。
まとめ
サッカーの試合で勝つためには、無失点が重要であるが、それだけで勝ち進むには限界がある。
pkなどで運悪く失点すると、たちまち、勝率は50%。
一方、3得点とれるチームの勝率は、100%。
攻撃は最大の防御なり、つまりは、3得点とれるチームを目指す事がこれから求められるのかもしれない。
さらに、点を取るには、決定率(得点/チャンス回数)が30%を超えることが必須であり
先の3得点も考慮すると、、、、 3点/チャンス10回 となるのだろう。
それを実現したのが、レジスタであり、優勝は、偶然では無く、必然といえるだろう。
また、他チームと異なるのは、ヘッドでのチャンスの多さであり、チャンスの3割がヘッド。
来年以降、また違った得点パターンでてくるかもしれない。
一方で、途中敗退したチームの中にも、良いチームは沢山ありました。
今回の経験を活かし、活躍してくれることを祈りたい。
最後まで読んで頂き有難うございました。
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