昨年末、全日本u12サッカー大会が実施されました。
同大会の決勝トーナメントより、各視点から分析を実施。
今回は、守備について。
勝利の為には守備が重要
「試合に勝つ」という目的においては、守備がとても大切だ。
前回の分析においても、
失点0に抑えた場合の勝利確率は、90%
失点3以上の勝利確率は、0%
であることからも、証明されている。
巧くなる、将来のため、、など、他の目的は別になるが、
あくまでも、試合に勝つためには、失点0 守備が最も重要。
どのように守備をするのか
では、具体的に、どのように0失点に抑えるかを考えてみよう。
前回記載した 得点分析から、得点の割合は
pk 10%
エリア外 10%
エリア内 80%
となっている。
pkの守備対策は、練習で時間をかける必要はないが、ある程度の情報は伝達しておくこと。
エリア外の守備は、GKの身長に大きくかかわっている。
決勝トーナメントでも6本のロングシュートがあったが、うち3本はGKの身長が高ければ防げていた可能性は高い。
チームの選手構成上、GKの身長を考慮できない場合もあるだろうが、極力身長は考慮してあげたい。
エリア内からの得点を防ぐには
では、得点の8割を占める ペナルティーエリア内の失点を防ぐにはどうすれば良いのだろうか?
勝つ事に重点をおけば、という前提となるのだが、、
下手に攻撃をしないこと
バスケットと同じ様に、エリア内に人数がいれば、シュートを打たないので、当然、入らない。
今回、全国3位となった、莵道 が良い事例だろう。
GKの身長が高いのので、ロングシュートは入らない。
あとは、エリア内を固めるだけだ。
川崎ー莵道 戦 を見てみよう
川崎のフォーメーションは 3-3-1
莵道のフォーメーションは 2-3-2
莵道の守備の場面では、両サイドバックがDFラインに加わり、FWが1つ下がるので、実質 4-2-1となる。
エリア内に多くの選手がいて、1対1でも容易に抜かれることはなかったので、得点を防げていた。
さらに、相手が守備陣地でボールを回しても、安易に奪いにいかず、パスコースだけをきる。
ただし、パスコースを切る思考が裏目に出たのが、鹿島戦であった
守備選手のボールを奪いにいかず、30mドリブル独走を許して、決勝点を挙げられてしまった。
攻撃は、ボールを奪った際には、一気に前線にフィードして、FW2名の能力に委ねるが、
サイドハーフの運動量、スピードも、突出していたので一定の厚みはできていた。
相手も守備人数が揃ってないので、攻撃を仕掛けるにはうってつけなのだろう。
圧巻は、ゴールキーパーのキック力、推定50mというところだろうか?
攻守とも戦術として、徹底していたので、強豪チーム相手にも失点0に抑え続け、好成績を収めたのだろう。
ちなみに、得点のチャンスは、川崎6、莵道3 であった。
攻撃チャンスは 30%は維持しないと結果、流れが変わってしまう、事例の1つなのかもしれない。
角度がないシュートは得点にならない
全日決勝トーナメントの得点からも、角度がない位置からのシュートは得点になっていない。
低学年の間は、ゴールライン付近からのシュートは、GKミス、などで見られるが、
当然ながら、高学年のトップレベルになると、このような得点確率は0%であった。
ちなみに、最も角度がきつい位置からの得点は、 約60°程度
シュート位置の角度は、
正面から 53% (24/45)
若干角度あり 20% (9/45)
45°程度 24% (11/45)
45°以上 2% (1/45)
角度がない所では、ニアはGKがしっかりガードして、フォアは守備担当者がガードする。
どのチームも当たり前の様に 守備が仕込まれていた結果なのだろう。
幼いころから、
シュートが入るエリアを意識すること
そこのエリアにボールを集めること
を伝達しておくことが大切なのだろう。
シュートの高さと位置
最後に、シュートの高さと位置の関係について
高さ\位置 | 近い | 中 | 遠い |
上 | 0 | 4 | 5 |
中 | 2 | 2 | 3 |
下 | 6 | 8 | 12 |
まずシュートの高さは、エリア内のシュートが多い事からも、下(ゴロ)のシュートが62%と多い。
パス同様、狙って蹴る習慣が身についている証なのだろう
ちなみに、Pkは、下よりも、上を狙うのが多いのか??
次に、シュートの位置については、フォア(遠い)方向を狙う率が48%と高い。
コースがずれても、味方の誰かが触ると得点になる。
ニアは、GKがコース制限しているなどが要因として挙げられる。
今後の守備予測
今回、莵道が躍進した事で、強豪相手には同様の戦術をとるチームもでてくるだろう。
ポイントとなったのは、
・エリア外のシュートは GKの高さでカバーする。
・エリア内に侵入させない様に、人数でカバーする。
従来の様に、守備からの組立にはつられないチーム対策
つまり、常に数的不利な状態であるチームから得点を挙げる方法を構築すること。
攻撃は、広くは定説であるが、、広げても、相手は中のパスコースをきっていて、動いてくれない。
それどころか、、最初から、外をきっているので、センターバックのパスの選択肢は限定される。
そのようなチームと対戦するには、、、別の戦略が必要になるのだろ。
話はそれたが、、今後の得点の可能性として期待されるのが、、ヘッド。
低学年では、脳への影響で禁止されているので、良い悪いは、別として。
小学年代では、ヘッドの得点を狙おうとする意識が少ない。
流れの中で、ヘッドの得点を決めたのは、優勝したレジスタの2回だけだ。
守備のボール回しに取りにこないなら、コーナーと同様、浮き球勝負も、勝つための戦略になるのかもしれない。
ちなみに、鳥取は、スローインからへっどを決めていた。
相手のヘッド対策も、今後の守備課題になるだろう。
ちなみに、pkを除いて、クリアミスなど直接的な失点は、全体の12%(5/42)であった。
ミスの少ない選手達が増えてきて、レベルは着実にあがってきているのだろう。
まとめ
試合で勝利するためには、失点を防ぐことが大切。
全日決勝のデータでも、
失点0 での勝利確率は 90%
失点3以上 での勝利確率は 0%
なのである。
そこで、参考になるのが、どのようなシュートが得点になるかについて解説した。
それを実践したのが、今回3位になった 莵道。
強豪相手に徹底したチームプレーは圧巻であり、試合では目立ちにくいが、個々の身体能力も高いのだろう。
ちなみに、データは筆者の私見であり、間違いがある可能性がある というのは補足として付け足しておきます。
最後まで読んで頂き有難うございました。
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